岐阜県 Tさん
未来の匠となるべく、日々仕事に打ち込んでいる若手大工職人に仕事にかける想いや、これからの夢を伺いました。
私の祖父は宮大工として修業を積んだ後に名古屋から戻り、地元で大工を始めました。そこに父親と叔父二人の三兄弟が集まって工務店となりました。三男である叔父は祖父と同じ社寺建築の会社で修業を積んできました。
そのような構成である工務店の加工場が自宅の隣にあることから、幼いころから仕事と言えば大工であるという気がしていました。
私は、自然な流れで工業高校を出た後、建築の専門学校を卒業し、現在の会社へ就職しています。身内が多い職場ですが、それぞれが阿吽の呼吸で持ち場の仕事をこなし、チームワークを維持しています。私自身も最近、神社拝殿建築の棟梁をしました。
現在では、社長の兄や宮大工の従弟を含め大工十五人の大所帯になりつつあります。伝統技術は簡単に身につくものではありません。これからは自分たちが先頭に立って、先代からのチームワークに倣い、良い職場、良い現場と良い伝統技術を残していきたいと思います。